元拍手

携帯電話

(山ヒバ)



「雲雀、ケータイの着うたってあれどこでとってんの?」
「録音」
 資料に目を通しながら簡潔に雲雀は返す。ソファに寝転がっていた山本は、「え」と驚
いたように雲雀を見た。
「ろくおん……て、生声?」
「まあね」
「まあね、て……どこで録ってんの」
「音楽室だよ。決まってるだろ。……僕の携帯勝手にいじるの止めてくれない」
「いやー、だってなあ。ていうか、通りで聞いたことないパターンだと」
 風紀委員有志の合唱団? と尋ねれば、だから? と返ってくる。それが肯定だと知っ
ている山本は、驚きのあまりに珍しく顔を引きつらせていた。また手の中の雲雀の携帯を
見、雲雀を見、また携帯を見る。
「……すげー」
「君もいるかい」
「え、送ってくれんの?」
「赤外線あるだろ、君の携帯」
「あるけど……マジで? 良いの?」
「ただし」
 資料から顔を上げ、真剣な目で雲雀が山本を見る。

「僕からの着信、それにしないと咬み殺すから」

「……え」
「よろしく」
「え」



2007/03/07 テレビでCMやってたので思わず。校歌があんなにむさいとは思わなかった。
      雲雀も山本も相変わらず難しい。